Actors Essays #001

映画『死んでもいい』
初ブルーレイ化によせて

室田日出男と、
石井隆と、
映画『死んでもいい』
のこと。
<其の壱>

年月は人間を退化させます、間違ひなく。物覚へも悪くなりけり。
はっきりと思ひ出すことも儘成りません、困ったものですよ。
思ひつく儘、思ひ出す儘に半ば支離滅裂に筆を進めますがお許しください。

東京の東部に東雲しののめと云ふ処が或。
此々は、江戸時代に
山で伐採された樹木がそれぞれの川に流され、
丸太棒になり貯木場目がけて流れ着く。
これ等は製材されて家屋他に成る。
いにしえの人々が威勢良く生活して居たのだらふか、
懐しひ時代を呼び戻して居るのか?

平野という青年は履歴書に
東雲の出身と書いて居た。
名美も又、子供の頃に
東雲に住んでいたと云ふ。
世代は違ふが丸太の上を
上手くスラスラ足を運ぶ姿、
惹かれ合う二人、
若年の頃は共通の遊び場所として
慣れ親しんで居たのに違いなひと
思はせる風情が良ひ。

流石、バラちゃん(佐々木原保志氏)の撮影です。
貯木場で、丸太の上を歩く女と男を
追いかけていくワンシーン・ワンカット。
手持ちかな?とか、手押し車に乗って?とか、
そんな風に感じ乍ら見て楽しんで下さい。
一転して宿屋のシーンは
フィックス(固定キャメラ)での長廻しです。
金沢照明も良ひ雰囲気です。
二階の窓際に指しで向かひ会ひ、
ちょびりちょびりとビールを呑み乍ら、
此れからの二人の行く末を改めて確認し合ふ。
名美(大竹しのぶさん)まこと(永瀬正敏さん)
此々の長ひ二人芝居はスタッフ、キャストが
一丸で組み上げた名場面に感じます。

近日公開 <其の弍>へ続く...

写真:飯島大介氏所蔵、
映画『死んでもいい』出演シーンの日々スケ表


次回予告…
土屋英樹役・
室田日出男のこと。

Coming Soon
Written by 飯島 大介  プロフィール

*飯島大介さんの原文や証言を基に、
一部の記述について当時の作品関係者への取材など、
事実関係を考証して補筆しております。
(補筆:はたぼー)


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死んでもいい 【Blu-ray】

発売日:2024年05月10日
発売元:中央映画貿易、ダブル・フィールド
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
協 力:有限会社ファムファタル

1992年/日本/カラー/1992年10月10日公開
Blu-ray1枚組/MPEG4 AVC/本編117分(16:9ビスタ・1080p Hi-Def)・映像特典28分(4:3スタンダード)
英語字幕(ON/OFF)/音声リニアPCM2.0ch(モノラル)

●映像特典:貴重な「撮り下ろしインタビュー映像:大竹しのぶ/岡田 裕プロデューサー/石井隆監督」(25分/2000年収録)に加え、新たに発見された石井監督直筆、撮影時に使用された絵コンテを本編全シーン248ページを静止画として収録。 ●封入特典:撮影当時、石井監督が雑誌上に連載していた「死んでもいいとも日記」を再録。その他貴重な記事を掘り起こしたキネマ旬報特別編集ブックレット(32ページ)。

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