Actors Essays #001

映画『死んでもいい』
初ブルーレイ化によせて

室田日出男と、
石井隆と、
映画『死んでもいい』
のこと。
<其の参>

そして名美と信、英樹が
三つ巴に相見えるクライマックスの死闘は
東宝ビルドでのセット撮影だったと記憶して居ます。
待合室で待って居たらリハーサルを終えた室田が
「石井監督を殴って仕舞ったよ」と
真面目な顔で云ふので
「エェ〜〜ッ!何って事したの」と
驚いた声を出して仕舞いました。

室田本人もテンションが上がってたから、
芝居を創るうちに何かの勢いで
監督に当たって仕舞ったのでせう、
詳しくは分からないが騒ぎが無いので
収まったのかなぁと推察するところですが、
エネルギーの有り余って居る先輩でした。
テストとは云え、『死んでもいい』オーラスの処で
「本当にやっちまうもんなぁ〜〜、父っつあん」と
内心思ったものでした。

私、『死んでもいい』の現場ではどうも
石井監督や演出部はじめスタッフには
室田のマネージャーと思はれていた様子でしたが、
オフィスダイニチの連絡先が飯島になっていたので、
室田と打ち合わせや現場に
同行して居たといふわけです。

この頃は石井監督とは少しずつ
顔見知りになって来たという間柄ですが、
いつも顔を出すもので
別の役者を手配する面倒も省けたのでせう
「のれん会の男」という役でお声が掛かり、
ワンシーン乍ら念願の石井組初出演と
相成りました。

場面写真:映画『死んでもいい』より 
© サントリー/日活/ムービー・アクト・プロジェクト


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飯島大介、石井組初出演の紆余曲折。

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Written by 飯島 大介  プロフィール

*飯島大介さんの原文や証言を基に、一部の記述について当時の作品関係者への取材など、事実関係を考証して補筆しております。 (補筆:はたぼー)


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